膝と膝の間に隙間がありませんか?変形性膝関節症とは

膝関節がもっとも変形性膝関節症を発症しやすい。
多くは50歳代以上に発症します。また、女性に多いです。
日本では、85%以上が内反変形(O脚)になります。

症状

初期は、動作開始時の痛みを訴える。
長く正座したり、あぐらをかいたりした後に、立ち上がる際に痛みや膝が伸びづいらくなる。
階段の昇り降り、特に降りるときに痛みを感じる
膝の内側を押さえると痛みを感じる

 

変形性関節症はなぜおきる??

正常な関節では、骨が接するところは関節軟骨と呼ばれる軟骨におおわれています。
この関節軟骨の表面はとても滑りやすい構造となっています。
滑りやすさを示す指標として、「摩擦係数」というものがあります。
摩擦係数は低ければ低いほど滑りやすくなります。
この摩擦係数は関節面では0.001~0.01と非常に低く滑りやすい値を示しています。

この摩擦係数0.001~0.01がどれくらい滑りやすいか、比較するものを探してみたのですが、なかなかいい資料がなかったです。
スケートリンクの摩擦係数は0.1だそうです。

関節は非常に滑りやすい構造をしているので、適切な使い方をしていれば、関節軟骨は摩耗も消失もしないということになります。

年齢が高いからといって、全員が変形性膝関節症ではないですし、肥満だからといって全員が変形性膝関節症ではない方もいらっしゃいますからね。

では、なぜ変形性関節症が起きるのでしょうか??

・過剰(アンバランス)な負荷(荷重)
・成熟した軟骨細胞は分裂しない

以上の2点が変形性関節症の原因だと思います。

関節面を滑りやすい状態に維持しておくためには、関節細胞が刺激を受けて関節表面に関節基質と言われる潤滑剤のようなものを交換しつづけなければならないのです。

均等に関節面に圧が加われば、問題はないのですが、過剰(アンバランス)な負荷(荷重)が関節面に加われば、関節基質の交換が間に合わなくなり、関節面が傷んでいってしまいます。

また、関節基質を交換する関節細胞ですが、関節細胞は細胞分裂しないので、体が成長しきってしまうとあとは関節細胞は減っていくしかないです。

ですので、過剰な負荷の加わった関節面は、過剰に関節軟骨が働きます。早くに関節軟骨が減ってしまい、関節面の滑りを維持できなくなります。関節面の滑りが維持できないと、関節が傷んで擦り減っていきます。結果、関節の隙間がなくなり変形性関節症の出来上がりとなってしまいます。

当院での施術法

変形性膝関節症になってしまうと改善するまでにかなりの時間が必要となります。
当院としては、変形性膝関節症になってしまう前に、変形性膝関節症の原因とされる、関節面への過剰な負荷を取り除く施術をしたいと考えています。

変形性膝関節症は予防ができる疾患と考えています。

参考文献
柔道整復学・理論編 南江堂
標準整形外科学   医学書院