ケガをした時に温めるのか?冷やすのか?という話題を聞いたことがありませんか?特に腰痛になった時は、テレビでもテーマになったりしますよね。
結論から言いますと、急に痛みを感じた時は冷やしてあげればいいです。悩んだ場合は冷やしてください。
では、温める時はどんな場合で、温める目的と理由は何なのかについて今回は説明させていただきます。
温熱療法とは
熱・電磁波・音波などの熱エネルギーの作用で、循環の改善や疼痛の軽減を図る
温熱療法の目的
①痛みのコントロール
②関節をよく動かせるようにする(可動域の向上)
③治りを早くする(治癒能力の促進)
④リラックス効果
①痛みのコントロール
温めることで、体の中で以下の変化が起きます。
・痛みを感じる神経に対して痛みを感じにくくさせたり
・筋肉の緊張をゆるめたり
・血液の循環を良くすることで、痛み物質を排出したり
以上の点から、患部の痛みを軽減する効果が得られます。
②関節を良く動かせるようになる
腱や靭帯と言った軟部組織は、温度が上がることで、伸びやすくなります。
つまり、関節が良く動かせるようにということになります。
関節にアプローチする施術の時に、腱や靭帯が伸びやすいということは、関節への負担が最小限に抑えられるという事になります。
③治癒能力の促進
血液の循環が良くなり、代謝も良くなります。
代謝が良くなるということは、細胞の働きが活発になるということになり、治癒能力の促進が期待できます。
④リラックス効果
体が温まることで、筋肉がゆるみます。筋肉がゆるむことで、リラックス効果も期待できます。
温めることにより体に起きる変化(温熱療法の生理学的効果)
①血管を拡張し、血流を増やす
②痛みを感じにくくさせるなど、神経・筋への効果
③代謝の向上
④組織伸展性の上昇
⑤免疫機能の向上
①血管を拡張し、血流を増やす
「熱」と言うのは体にとってとても重要です。筋肉の重要な働きのなかにも「熱を生みだす」ということがあります。
体の外からの熱を効率よく前進に巡らせるシステムを持っています。それが、「血管」と「血液」です。
体のが温められると、血液がサラサラになり、血管が広がり、全身へ熱を配っていきます。
また、細胞の活動が活発になるので、細胞が酸素を欲しがり、体が細胞に反応して、血流を良くします。
②痛みを感じにくくさせるなど、神経・筋への効果
筋肉の温度が上がると、神経に作用して筋肉がゆるみます。
筋肉がゆるむことで、痛みを感じにくくなります。
③代謝の向上
温めることで、細胞の活動が活発になり、代謝機能が向上します。
細胞の代謝は1℃上昇するごとに約13%増加します。(ファント・ホフの法則)
④組織伸展性の上昇
腱や靭帯、瘢痕組織、関節包などコラーゲン軟部組織を温めると伸びやすくなります。
お風呂上りにストレッチをすることは、理にかなっているということでもあります。
⑤免疫機能の向上
全身を温めて体内の温度が上がると、免疫機能が向上します。
温熱療法の分類
伝導とは、物と物が接したときに起きる熱の移動です
対流とは、温められた物がある場所から別の場所に移動することによる熱の移動です
放射(輻射)とは、電磁波や熱などが、物から放出され、空中などで運ばれること
急な痛みの時には、温めてはいけない。
急に痛みを感じたとき
出血を伴うケガをしたとき
このような時には、温めてはいけません。悪化する場合があります。
急に痛みを感じた時や出血を伴うケガをした時は、患部がまだ安定していません。
体が、ケガや痛みに対して、出血を止めるように指示を出している状況です。
ですので、患部を温めてしまうと、血管を広げてしまい、患部から血液を移動させてしまい、状況を悪化させる可能性があります。
急に痛みを感じた時や出血を伴うケガをした時は、氷や水で冷やすようにしてください。
にしからかわ接骨院では、ホットパックを採用しています。
温熱療法は、「ホットパック」「パラフィン浴」「赤外線」「超短波」などがあります。
にしからかわ接骨院では、ホットパックの乾熱法というのを採用しています。
ホットパック(乾熱法)のメリット
①比較的広い範囲を温めることができる。
②衣服の上から温めることができる。
③ゆっくり温めるので、ホットパックを取り除いたあとも、冷えにくいです。
④タオルの枚数が少なく利用できる。
ホットパックのデメリット
温熱療法に共通して言えることですが、火傷には注意が必要です。
参考文献
物理療法学テキスト 南江堂
公認アスレチックトレーナー専門科目テキスト⑦アスレチックリハビリテーション