「腰痛と言えば」と聞くとよく耳にするのが「腰椎椎間板ヘルニア」
腰痛関連の疾患では、認知度ベスト3に入ると思います。
腰椎椎間板ヘルニアとは
腰椎椎間板ヘルニアとは
腰椎椎間板ヘルニアとは、脱出した椎間板組織が神経根を圧迫して、腰・下肢痛を引きおこす病態のことです。
標準整形外科学 第10版
症状
腰痛と共に、左右どちらかのお尻から太ももの裏・ふくらはぎに痛みが走り、前かがみになると痛みが増す
腰椎とは
腰椎とは、背骨の腰にある5個の骨のことです。背骨を横から見たときに前に反っている所がだいたい腰椎です。背骨は脊柱とも呼ばれ、頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個で構成されています。
腰骨の左右の頂点を結んだ線上にあるのが、だいたい第4腰椎と言われています。この腰骨(腸骨稜)を左右で結んだ線の事を専門用語でヤコビー線と言います。
椎間板とは
背骨の骨ひとつひとつを椎骨と言います。その椎骨の間にあるのが、椎間板です。
椎間板の構造は、中心部はゼリー状の髄核(ずいかく)があり、その周囲を線維で層状に覆っています(線維輪)
役割として、椎間板は衝撃を分散してくれるクッションとして働いてくれます。また、背骨の動きに合わせて髄核(ずいかく)が動くことで、背骨の動きをスムーズにしてくれます。
ヘルニアとは
「脱出」「飛び出す」という意味のラテン語です。椎間板ヘルニアの他にも、鼠径ヘルニアと言うヘルニアがあります。
鼠径ヘルニアとは、腸が鼠径部の隙間からはみ出した状態の事を言います。
好発年齢・好発部位
好発年齢
20歳代、30歳代~40歳代次いで10歳代、50歳~60歳代の活動性の高い男性に多い
好発部位
腰椎椎間板ヘルニアが起こりやすいのは、第4腰椎と第5腰椎の間そして、第5腰椎と仙骨の間の椎間板
治療方法・手術適応
治療方法
腰椎椎間板ヘルニアの約80%が保存療法で治る
保存療法とは、手技施術や温熱療法や物理療法そして運動療法などの事
手術適応
①排尿障害があるケース
神経がヘルニアに圧迫されることで、腰の痛みだけでなく、排尿障害さらには歩行障害が起きいる場合
②急に足(下肢)に力が入らなくなったケース
力が入らない目安として、仰向けに寝て足に抵抗を与えられると、足があげられないといった場合
腰椎椎間板ヘルニアは80%が保存療法を選択されますが、上記の2点がある場合は、手術をした方が良いケースになります。
また、当院では、手術適応の2点に加えて、左右の足の感覚差が大きい場合、左右の足の太さが明らかに違う場合は病院での診察をお願いしています。
まとめ
- 腰椎椎間板ヘルニアの特徴として、腰痛と片側のお尻から足にかけて痛みがでる。
- 20歳代~50歳代の男性に多い
- 腰椎椎間板ヘルニアの治療法として80%が保存療法を選択
- 腰椎椎間板ヘルニアの手術適応は、排尿障害と足に力が入らなくなった場合
当院では、腰椎椎間板ヘルニアと診断されていても、手術適応の状態でなければ、自費の超音波施術でサクサクっと施術させていただきます。
超音波特別施術
参考資料
標準整形外科学 第10版 医学書院
からだにやさしい腰痛克服法 技術評論社
スポーツ傷害の理学療法 第2版 三輪書店